今日、大家さん(40代ぐらい?の美人女性)と大家さんのお父さんがうちに来ました。アパートの契約の再更新に来たのです。今のアパートには10年住んでいて、これが2度めの更新となります。

家賃は40ユーロ(今のレートで5000円ぐらい)のアップと落ち着くことになり、ひと安心。


日本は新しいアパートが好まれ、築何十年のアパートは値段が下がりますが、こちらは築数十年が当たり前。古くなったからといっても値段は下がりません。「あなたは長くいるからアパートが古くなるのは当たり前。だから値上げするわ」と大家さんに言われたりするのです。

スペインのアパート契約は次のような仕組みです。(特別な記載がなく、普通の契約書である場合)
・現在は5年契約が普通。(1年契約と書いてある契約書でも、5年まで自動的に更新になる)
5年契約でも1年は義務がありますが、1年過ぎればいつ退出してもok。1ヶ月前に大家さんに文書で通達が必要なだけです。

ここでびっくりな余談ですが、昔は無期限とか100年という契約書が存在したんですよ。そういう契約を持っている人の子孫がガウディのカサ・ミラやカサ・バトリョに住んでいるわけです。

ちなみに昔といってもそんなに昔ではなく、私の日本人同僚でこれを持っている人が2人も!!いるのです。今では貴重な宝!物価の上昇(IPC)分しか値上げができないので、今でも20年前の家賃で住んでいるようなものです。1人は大家が追い出したくて嫌がらせもしていましたが、権利があるので負けない!と言っていました。
こういう人は家を買うより、一生賃貸の方がダンゼンお得です。


同様に、私の日本人の同僚で、無期限の契約書ではないけれど、物価の上昇分以外あがったことがないという、これまたうらやましい人たちがいます。これも2組! ただし契約書に無期限と明記されているわけではないので、大家の気が変わったり、大家が違う人になった時には困るかもしれない・・という難点はありますが・。

でもとりあえず住居の心配のいらない、こんな幸運な人達が、私の同僚の日本人という狭い範囲で4人もいるとは。すごい確立です!昔はよくあること・・だったんでしょうね。


スペインの賃貸仕組みに戻りますが、
5年の契約期限が切れるとどうなるか?

・大家は好きな値段に家賃をアップできる。ただし大幅に値上げする時は1ヶ月前に文書で通知すること。
・1ヶ月前に連絡がなければ延長契約(Contrato de prroroga)が可能。条件は全く同じで、さらに3年延長できる。
(こちらは新しくできた法律です)

などがあります。

ここで問題となるのは、契約が切れたときに大家はいくらでも好きな金額にあげることができ、これに制限がない、ということです。5年前にいろいろ調べたのですが、本当なんですよ。
つまり長く住んでいても、全くの新規契約状態になるのです。
これは賃貸者にとってはつらいこと。

ここ10年ほどスペインでは不動産バブルがすごかったのですが、これに目がくらんだ大家さんがたくさんいました。家賃を突然1・5-2倍に値上げされ、長年住んだのに家を出ることになった、という日本人を、何人も知っています実際に知っている人で何人もですよ!!だからこそ、上記の家賃があがらない人達の幸運さにぴっくりするのです。

突然2倍ですよー。払えません!
家賃を滞納したこともなく、全部自分が内部も改装しきれいに使っていて、もう十数年住んでいたのに!と嘆きの声を耳にしたものです。一部の知り合いは、あまり仕事も多くない、私よりも年配の人なので、とても心配しました。同じく賃貸の身としては明日はわが身ですね。自分が年を取った時にその状況に陥るのはつらいと思います。


さて、私は今のアパートですが、まだ安かった頃だったので65000ペセタで入居しました。日本円で5万円ぐらいの計算でしょうか。高層階で、眺めもすばらしく、3部屋ついて、場所も便利。なかなか良い物件に感じたものです。

ところが5年前の契約更新の時。当時はバブル期で、追い出される話を聞いていたので、心配した私は前もって電話してみました。契約のきれる数ヶ月前のことです。
「こんなに値段をあげるなんて恥ずかしいことだ。私は上げないから心配しないで」と言われて、安心してたのですが、契約当日(期限の切れる2日前)に彼女は120ユーロ(2万ペセタ)の値上げを通告しました。

正確に言うと、彼女はとおおおおっても言いにくそうだったのですが、大家さんのお父さんが値上げしたくてうずうずしていて、彼の入れ知恵だったと思います。(ちなみみ彼は、契約後うちのアパートを出て行く時に、「日本は高い♪ 日本は高い♪」と歌いながら出ていきました。唖然・・。でも2人とも人は良いんですよ・・。)

120ユーロ値上げしても、まだまだ一般のレベルよりぐっと安いので更新しました。その頃3部屋は1000ユーロは当たり前でしたし、ワンルームでも600ユーロだったのです。ただし、120ユーロの値上げは自分が払っていた家賃の30%アップにあたるので、自分にとっては大きな値上がりです。値上がりよりも、「前もって言ってくれなかったこと」にショックを受けました。良い人達だと思っていただけに・・。大幅値上げの時は、大家は本当は1ヶ月前に知らせなくてはいけなかったのを知ったのは後のことです。


そして今年。
先月お湯が出なくなり、湯沸かし器を結局買い換えることになりました。550ユーロの出費でした。修理ですが、賃貸でも壁の外にあるものは店子、壁の中(水道管や配線など)大家さんが修理するという意見が一般的のようです。

私が払うというものなら払うのはいいのですが、契約の切れる1ヶ月に550ユーロも払って、追い出されることになったら・・という理由から、少し大家も負担してくれないだろうか?というのと、ついでに「値上げするのだったら1ヶ月前には値上げ額を知らせて欲しい」と伝えました。「前回大幅にあげられたから」と。

これが人の良い大家さんに逆鱗に触れたのです。「私は人が値段をつりあげている時にも値上げせずに来た」。
確かにそれはそうですから、余計に悔しく感じたのだと思います。

しかしその後の言葉にどうかと思いました。
「あなたはuna miseriaしか払ってないのよ!」!!

una miseriaとは、本当に少しのお金、わずかなお金のことを言います。別の意味では「極貧」という意味もあります。

うーん、私が300か400しか払ってないなら分かるけれど、600ユーロ。10万ペセタですよ!ミセリアといわれるような安い値段ではありません。
それに今アパートを購入する人はともかく、昔買った人達は安い値段で買っているわけですから値段を大幅にあげずに十分ローンが払っていけるはずです。

この大家さん、電話を切ったあと、再び電話してきて、「私は2%しか値上げしてこなかった」とも言ってきます。えー、2%ですかー、30%値上げしましたよー。(←この時点で私も計算してなかったので、30%という数字は出ませんでしたが)IPCのことかもしれませんが、2年前だってIPCで4%あがりましたよー。(バブルはじけてたのでえ?と思って調べたら正しかったのです。バブルがはじける前年さえ、スペインは4%物価があがったのでした)
しかし、もう怒っちゃったので何を言っても無駄。「いつでも出て行ってくれていいのよ」の言葉も出たし、そうなると賃貸の私としては困った立場になっちゃいました。家がなくなったら、次が見つかるまでの間、家具だけ預かってくれないか?と友達に聞いてみたりしたものです。


しかし大家さんがとうとう電話してきて、40ユーロの値上げで、契約更新を伝えてきた時には、本当に安堵しました♪


今は不況なので前のような値上げはないだろうというのが一般的意見ですが、うちのアパートはこの5年以内に、エレベーターが故障して新しく買い替えたのです。しかも市の調査にひっかかり、水道管・電気・壁の塗装など、全部を新しくしているところなのです。思わぬ値上げもありえることでした。

実際に大家さんと話していたら、3ヶ月に1度200ユーロの請求が来ているといっていました。
友達いわく、「もめてしまったけれど、そのおかげで、値上げ額が少なかったんじゃないか」と。
前回も文句ひとつ言わずにサインし(ショックすぎて反応できなかった)、金払いの良いイメージのある日本人。何も言わなければ改装費がかかっているという理由でもっと大きく値上がりをしたかもしれませんね

今日はもめた後に大家さんに会うということで気が重かったのですが、大家さんも自分のヒステリックな態度を反省したのか、とても感じがよくて友好的に終わりました。こういうときはスペイン人の、「とても感じよく振舞う」上手さを感じます。上手な人は本当に人間味あふれる接し方で、うまい!と思うほど。とりあえずは関係修復ということでほっとしました。長くなりましたが、スペイン賃貸事情でした!



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スペインだから?